黄昏カレーうどん幻想郷
世界を巡る一本の川から、ふわりとスパイスの香りが漂い始める。
人々はその香りを「黄昏の合図」と呼んだ。
山々を流れる黄金の川は、ただの川ではない。
大地をゆるやかに巡る白いうどんを包み込み、命を温める一杯のカレーそのものだった。
風が吹けば、七味は紅葉になって舞い、
湯気は瑞雲となって空へ昇る。
橋を渡る旅人は、誰もが少しだけ笑顔になる。
疲れた者は元気を取り戻し、
迷った者は帰る道を思い出し、
悲しみを抱えた者は、胸の奥がほんのりと温かくなるという。
だから、この国には大きな器はない。
世界そのものが、一杯だから。
そして今日も、夕暮れになると黄金の川は静かに流れ始める。
どこかで、誰かの心を温めるために。
呪文
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