小鈴ちゃんの浅知恵

全年齢イラスト「子タヌキちゃんは小鈴ちゃんに化ける」において、ソフトクリームをまんまと子タヌキに奪われた（と小鈴ちゃんは思っている）小鈴ちゃん。
ならば今度はそれを逆手に取るだけです。
という訳で、タヌキの付け耳と尻尾を付けた小鈴ちゃん。
その姿でさっそく公園のベンチに座っているお母さんの志織の元へ。
小鈴「ねえママ………あのね？」
志織「あら小鈴、どうしたの？」
小鈴「あのねあのね！えっとね！…………その……わたし……ソフトクリーム食べたいな……」
志織「あらそう。でも昨日も一昨日も食べたじゃない」
小鈴「あの……えっと……き、昨日のソフトクリームが美味しくって‥…もう一度食べたくなっちゃったんだポン！」
志織「『ポン！』？」
小鈴「そ、そうだポン………その……私実は……昨日のタヌキで……」
志織「あらそうなの？てっきり小鈴だと思ってたわ。気付かなかった」
小鈴「そ、それで………もう一度ソフトクリームを……」
志織「タヌキは野生の動物だからあんまりああいうものはあげない方がいいわよね。味の濃いモノとか」
小鈴「え？」
志織「さてと、ここにはタヌキしか居ないみたいだからそろそろ帰ろうかしら」
小鈴「え？マ、ママ！？」
志織「さ、あなたも山にお帰りなさい。私は家に帰るから」
小鈴「ま、待ってママ！私！本当は小鈴なの！タヌキのふりしてただけ！」
志織「え？何か言ったかしら？ごめんなさいね、私タヌキ語は分からないの」
小鈴「そ、そんな！ママ！私だよぅ！小鈴だよぅ！」
志織「さてと、もう帰ろうかしら」
小鈴「やだぁ！置いてかないでぇ！私小鈴だもん！私が小鈴だもん！わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん！」
志織に置いて行かれそうになり、ついに大号泣してしまった小鈴ちゃん。
そんな小鈴ちゃんをお母さんの志織はおぶって帰路につきます。
志織「もうタヌキだなんて嘘ついちゃダメよ？分かった？」
小鈴「うううううう……ご、ごめんなざい……うう、ひっぐ……」
志織「分かればよろしい。それじゃアイスクリーム買って帰るわよ」
小鈴「え！アイスクリーム！？や、やたっ！」
志織「立ち直りが早いわねぇ……」
感心しているというよりはちょっと呆れている志織さんでした。