心泣のおばあちゃん涙しつつ孫に手紙を書く

〈心泣へ、これを読んでいるときは、私は天国かはたまた、地獄の世界に行ってるのかも、または煉獄か、一般的には煉獄で反省してから行くのらしいけれどね。私も聖人君子的な生き方はできなかったわけだし。心泣は、悲しいかもしれない。火葬されて骨になった私を見ることでしょう。そして、お話や料理をいっしょにできなくなって…涙がでちゃうわ。死ぬって怖いわよね。さようなら、はまた会える。だけど死んでしまうっていうのはもう会えないってことなんだね。でも、心泣、私もたくさんの人とお別れしてきたんだ。お母さんにお父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、私の夫、心泣のおじいちゃんにあたる人だね、色々、あったわ、生まれて、恋をして、結婚して、子供が生まれて、孫と心泣に出会えて幸せだわ。きっとおばあちゃんやおじいちゃんたちも同じような気持ちだったと思う。心泣もこれから、恋や悲しいこと、幸せなことや色んなことを経験するかもしれない。挫折しそうなとき、死にたくなるようなときがあるかもしれない。私は応援してるから、止まない雨はない、生きてる限り立ち直れるのだと信じてる。そして、見守ってる。心泣との思い出は私にとっての宝だよ。ありがとう、心泣、これからの幸せを見守っていくね。
心泣のおばあちゃんより〉

「いけないわ、涙で手紙が濡れそうになったわ」
「お母さん、ありがとうございます」
「ううん、私ってば涙もろいところあるからね」
「心泣と血が繋がってるって証ですよ」
「そうね、だって、心泣のおばあちゃんだから、」
人を想いて涙を流せる心優しき子、
心泣、しっかり子孫に受け継がれてゆく。