簒奪者 2024/11/18 使用したAI Stable Diffusion #銃戦 ハルちゃんに似てるけど違う子がでたんで、ストーリーくっつけて再利用することにした。そしたらけっこう長くなってしまったw気の向いた人だけ読んでくださいませ。「私から奪ったもの、返してください……」僕は少女に銃を突きつけられていた。突然のことで混乱の極みだが、少なくとも彼女とは初対面、ましてや彼女から何かを奪ったなんてこと、あるはずなかった。「人違い……じゃないかな? 僕はこうみえて善良な市民をやらしてもらっていてね……」「知ってます」僕の言葉を遮り、少女は高ぶった声で言った。「私知ってます、あなたがどんなに善良なのか……。 あなたはいつも、公園のゴミを拾って清掃してますね。ボランティアでもないのに。 おばあちゃんが横断歩道を渡れないでいたら、荷物をもって手を引っ張ってあげるし、 帰りの交通費がないというパチンカスにも、返さなくていいよとお金を渡していましたね……。 他にも白いラッコにジュースの買い方を教えてあげたり、 コンビニの底上げ弁当の底を下げさせたり、 作画崩壊したアニメの修正作業をしてファンを救ったり、優しさが満点です。 ずっとあなたのこと見ていて、好きになってしまいました……。 私の奪われたハート、返してください……」「後半身に覚えがないのも混じってるけど、それよりずっと見てたの? 作画修正は夜間に駆り出されて、窓もない屋内でやったんだけど……」「はい、ずっと見てました。私殺し屋なんで」「殺し屋なの!?」「あなたが将来、その優しさで地球を包んでしまうのを恐れた未来のある組織から、五臓六腑に一発づつ玉を撃ち込んで殺すよう、依頼があったのです」「超痛そうな殺し方するね! 未来の僕、だいぶヘイト買ってるね!ということは、僕がキミにハートを返すと、その後は……」「殺しますね」「ハートを返さなかったら?」「奪われたものを取り返すために、殺しますね」「どっちにしろ死ぬのか……オワタ」未来から抹殺指令だとか、僕のこと好きな美少女だとか、なんとも現実味のない話しで、彼女の銃も本物かなんてわからない。でも僕は、彼女が本気なのは感じていた。そして彼女の瞳に、救いを求める光があるのも。(考えろ僕、いままで一番考えろ! 答えをミスったら五臓六腑撃ち抜かれて死ぬ!)僕がオタオタしている間に少女は決心を固めたのか、銃を構え直して言った。「それではハートを返していただきます、さよなら初恋の人……」「まった! まったまったまった! ちょっとまった!」僕は大仰に手を振りながらなんとかトリガーに力を込めつつあった彼女の指を静止した。「なんですか? 命乞いですか? それでしたら、できるだけみっともなくお願いしますね。100年の恋も冷めるような情けないやつで」「命乞いなんてしないよ」僕はきっぱりと言った。「それよりキミ、ホントは一緒にいいことしたいんじゃないか?」「いいこと? ホテルで男女がねんごろになるアレですか?」少女は少し頬を染めた。「ちがうちがう! そういう遠回しなやつじゃなくて、人助けしたり、みんな幸せになれるようなこと、したいんじゃないの? 優しい僕が好きなんでしょ? それってキミもホントは……」「わ、私がですか? 私、そんないい人間じゃないですよ! 分別がめんどくさくて、燃えないゴミをこっそり燃えるゴミにまぶして捨てたり、 街頭でティッシュを配ってるの、無視して受け取らなかったり、 エレベータで少し遠くに乗りたそうな人がいるのわかってるのに、開ボタン押さなかったり、私そんなダメな人間なんです! それになんといっても殺し屋ですし……」「僕がぜんぶ一緒にやってあげる」「!?」「キミのゴミを分別してあげるし、ティッシュ受け取って、バイトの人の仕事が早くひけるようにしてあげるし、エレベータで開ボタンを連打してあげる。 それだけじゃないよ、一緒に公園でゴミ拾いして、困ってるお年寄りがいたら二人で助けてあげて、骨折した白いラッコがいたら手分けして包帯を巻いてあげよう。 それで得られるのは無償の感謝だけ。 でもね、ちょっとした感謝が、気持ちを軽くしてくれる。温かくなれる」「サイコフレームの光のように!?」「……それはちょっと何言ってるかわからないけど、自分のためだけに生きてるより、ずっと楽しいんだ。二人でやったらきっと、もっと楽しい」一息に捲し立て息を荒くしたまま、僕は少女をじっと見つめた。「トゥンク。それってずっと一緒にいようってことですよね、ポッ」「あ、えっと、そういうことになるのか……な?」僕はちょっと、言い過ぎたかもしれない。「私……貧しい家で生まれました。貧乏だったから家族もみんな余裕がなくて、いつもピリピリしてて。家庭は喧嘩ばかりでした。子どものころは、怒られたくない、優しくされたいってことばかり、ずっと思ってました。小学生のとき、お母さんの言い付けで、一人で買い物に行ったんです。でも途中で転んで、お金を溝に落としてしまいました。とても怖かったです。落としたって言っても、きっとお母さんは信じてくれなくて、私が盗ったと疑われるから……。それで泣きたいのを必死でガマンして、溝の前に独り、立ちすくんでいました。怖くて、寂しくて。そのとき、「どうしたの?」って優しく声をかけてくれた人がいました。あなたです。私が事情を説明すると、あなたは何も言わず自分の財布からお金をだして、「これでお買い物しておいで」っていいました。「ここで待ってるからいっておいで」とあなたは言ったけど、私が戻ったらもうあなたはいませんでした。お礼が言いたくて周りを探したけど、見つかりませんでした。あなたにとっては、数々の善行のひとつ、覚えてないと思いますが、私はあなたの顔、忘れたことありませんでした……だから今回の依頼であなたを見つけたとき、すぐには殺すことが出来なかった……五臓六腑にぶちこめなかった……」少女からはもう、すっかり殺意は消えていた。銃口も下を向いている。うーん、過去の僕、ファインプレー。「そのときキミが感じた気持ち、他の人にも分けてあげたいとは思わない?」「え? それはそう思いますけど……でもどうやって?」「さっきいったことだよ、一緒にいいことしようって。ほとんどは相手にとっても、取るに足らないことばかりだろうけど、時にはキミのように、ずっと覚えていれくれることもある。ね、少なくとも殺し屋よりは、心が軽やかな人生なんじゃないかな?」その日、世界を救済に導くチームの、最初のメンバーが誕生した。ゴミ掃除や悩み事相談から始めたチーム活動は、やがて賛同者を増やし、大きなチームへと変貌していくんだ。みんなの笑顔を追求するうち、環境破壊する組織や、環境保護のフリをする過激派、核ボタンを押そうとする独裁者、宇宙から襲来したナニかを撃退するに至り、僕は救世主なんて呼ばれるようになった。でも自分でよくわかってるけど、僕は救世主なんかじゃない。ただ自分が幸せでいたいだけのちっぽけな人間なんだ。だから僕がこのチームに所属して最高にハッピーだったのは、とても個人的な出来事、創設メンバーの殺し屋を嫁さんにしたことなのさ。彼女にハートはまだ返してあげてない。だから嫁はときどき、僕のことを簒奪者って呼ぶんだ。顔を赤くしてね。 呪文 入力なし 白ラッコ 2,492 投稿 フォロー 645 フォロワー 744 主にDALLEで作って、SDでi2iして、Photoshopで色調補正して、手とか微修正しています。i2i過程でFlat:LoraとADetailerをよく使います。ノスタルジックな表現ができたらいいな。 いろんな方の呪文や手法を参考にさせていただいております!感謝です! 白ラッコさんの他の作品 白ラッコさんの他の作品 簒奪者 白ラッコ ハルちゃん25 白ラッコ キャンプファイヤー 白ラッコ お地球見 白ラッコ 街と水たまり、少女136 白ラッコ 簒奪者 白ラッコ ハルちゃん25 白ラッコ キャンプファイヤー 白ラッコ お地球見 白ラッコ 街と水たまり、少女136 白ラッコ 部活でサッカーする白ラッコ 白ラッコ